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Nature誌に掲載された「視覚野に関する研究」の実験モデルにVRが採用されている

脳の第一次視覚野(V1: 大脳皮質の一番後ろにあり、視覚情報をまとめ、前方の大脳皮質に送っている)は、眼の網膜からのシグナルと記憶情報を統合する領域であることがわかってきました。この論文は、V1での情報の統合をわかりやすく定量できる可能性を示したものとなっています。
 私が注目したのは、論文のテーマもさることながら、実験モデルの構築にVRが活用されているという事実です。実験モデルには、マウスに模様のついた廊下を歩かせるという要素があるのですが、実際にはマウスはVR映像を見ながら回転するドラムの上を歩いています。
 VRを通した知覚(見え方)は不自然であるとの指摘は少なくありません。例えば、「焦点移動」が再現されていないという指摘です。現実の焦点移動「焦点の合っている部分ははっきり見え、焦点が合っている部分から離れるにしたがって、ぼやけて見える」を再現できていないというものです。こういったVRの不自然さを解消すべく研究開発が進んでいますが、自然な知覚を100%実現するには至っていないと認識しています。
 こういったVRの不自然さがこの実験モデルで問題にならないのは、V1での情報の統合に関与しない要素だからなのか、マウスの視覚だからなのか…。VRと視覚の関係の複雑さと奥深さを改めて感じています。

https://www.nature.com/articles/s41586-018-0516-1?fbclid=IwAR1Fb6MnHL2TiBDAsHawoNnPJZ-DNX55Vmg0ir_34-5NlVq_vH08lQjRB_o

 

[参考資料]
脳の世界
http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/index.html
Oculus ResearchがVRゴーグルで目の焦点調節を再現する研究のために開発したシステムを公表

https://www.oculus.com/blog/oculus-research-spotlight-teaming-up-to-build-a-perceptual-testbed/?fbclid=IwAR0SBjy-GiqodFhLikbXX2_gH-ptg9Ez729dIXnSz3Wwplttg72ExT4lRkM

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