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VR療法が拓く、新たな治療のかたち
- メンタル関連分野を中心に -

特定の対象や状況に対して著しい恐怖反応に対する暴露療法(恐怖を感じる対象に徐々に慣れる)にVRが導入されたのは、1990年代に遡ります。1995年には、American Journal of PsychiatryにVR療法によって高所恐怖の症状が改善した旨の論文が掲載されています。現在に至るまで、不安障害(恐怖症を含む)、強迫性障害、心的外傷等、適用範囲は広がり続けています。また、疼痛コントロール領域では、2000年にPAINに掲載された重症熱傷患者2名にVRゲームを導入して効果的な疼痛コントロールを実現したという報告から様々な痛みに対する応用が進んでいます。
 私が注目したのは3点です。
 まずは、バイオ・フィードバック機能の力です。韓国で開発されたパニック障害の患者向けの暴露療養は、患者が「脱出バー」を押すと、ビーチへ瞬間移動が出来るという仕組みになっています。ビーチに移動した後、バーチャル心臓が画面に登場。患者自身の脈拍を反映する器具を手に持ちます。患者は視覚と触覚で脈拍が徐々に落ち着いていくプロセスを体験します。パニック障害治療の目標である「自分でコントロールすることができるんだ!だから、怖くない。」という自己効力感の獲得を、より確実なものとしてくれるようです。
 次に、アバターの活用です。統合失調症患者が「幻聴(アバターが発する)と会話をする(無視するのではなく)」という新たなアプローチをよりスムーズに取り入れることに大きな後押しとなっています。
 3点目もアバターの活用です。アバターが治療者の役割を担うことで、DIY治療(患者自らが自分で治療する)が可能になるという側面です。患者自身が自力でどこまで到達することができるのか不確定な部分はありますが、治療者との相性が合わない、生身の人間と向き合うことに大きなストレスを感じる状況等の課題に一石を投じるものであることは間違いないでしょう。

https://www.sciencenews.org/article/virtual-reality-therapy-has-real-life-benefits-some-mental-disorders?fbclid=IwAR3MxMRQnlyJxVTFnlWOm3sV-KUDz-Wif0svJkdjKwMKWxppYQ_4yl56L50

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