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鎮痛薬はVRに置き換えられていくのか?

米国で発信されたこのレポートでは「間違いなく、置き換わっていくだろう」との見解です。医師(内科を基盤とした心療内科が専門)として、私が予想する未来は異なります。
VRという選択肢が増えることで、従来の方法(薬物療養を含む)と抱き合わせで、相互補完的に活用されると考えています。VR Distractionによる鎮痛効果と薬物療法を含める全ての選択肢の「いいとこどり」を、本人の納得感を醸成しつつ、一人一人の特性に合わせどう実現していくのか、医師の力量が問われるようになるでしょう。
 このレポートで、「置き換わる」という表現が使われた背景には、米国ならではの「オピオイド(医療用麻薬)乱用の深刻さ」があるのだと思います。2017年の米国疾病対策センター(CDC) の報告書によると、米国では毎日115人がオピオイドの過剰摂取により死亡しているとのこと。オピオイドは元々がん性疼痛に使われていましたが、米国では慢性疼痛への適用が始まったことをきっかけに乱用が進んだと言われています。一方、日本では、米国とはほぼ真逆の状況です。医療用であっても麻薬というものに対する警戒感・忌避感が強く、いまだにがん性疼痛に必要十分な量を用いることができていないと懸念されています。
 VRの特性を有効に活用していくためにも、臨床の現場で「この薬を検討するのは何故か」を丁寧に説明していくことの重要性を改めて強く感じています。

https://www.xr.health/virtual-reality-replace-painkillers.html/?fbclid=IwAR3u7LChjQrsAKOZqacx4_BoSbjiBi4qXjBuhpBVNitE-UuTc9tLLFJM6UQ

 

[参考資料]
オピオイド鎮痛薬とは
http://www.shionogi.co.jp/tsurasa/treatment/opioid/

米国のオピオイド禍と日本への教訓、SYNODOS 2018
https://synodos.jp/international/21894/2

Opioid Overdose Crisis, National Institute on Drug Abuse, 2018
https://www.drugabuse.gov/drugs-abuse/opioids/opioid-overdose-crisis?fbclid=IwAR3iqGyYvUFCr_GW_mZQsm-5x4txT0J5-BTSmg0wiBPa7g7MQmjmYTyEfH0

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