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VRの力
摂食障害&身体醜形障害の治療

心療内科医として病院勤務医であった頃、担当する入院患者さんのほとんどが摂食障害という1年を送った経験があります。摂食障害は単なる「痩せや肥満を繰り返す、若い女性の病気」ではありません。患者さんの身体を守ることと、自らの身体を命の危険へと突き進ませてしまう患者さんの心と戦うこととの両立は、ご本人にとっても医師にとっても辛く苦しいものです。摂食障害は、最も死亡率の高いメンタル疾患です。認知行動療法は治療の大切な要素ですが、認知行動療法にまで持ってくることにかなりの時間とエネルギーが必要となります。
 今回の報告では、①摂食障害というものの理解を進めるVR、②暴露療法としてのVR、③ボディイメージの偏りの気づきを促すVR、の取り組みが紹介されています。治療に直結するのは②。スペインのVR企業Psious(以下参照)のサービスと認知行動療法を組み合わせた治療法の有効性が注目されます。③も摂食障害の患者さんの多くが持つ身体醜形障害の改善に極めて有効であると感じます。自ら気づくことこそ、ボディイメージ修正の要です。
 私が最も注目するのは①です。理由は2点。まず、「共感を創り出す」と言われるVRが、真に人の認識を変えることができるかどうかを検証するという側面もあること。2点目は、Iridescentと名付けられたVRの「摂食障害という病に、摂食障害を語らせる」コンテンツにハッとしたこと。主治医として摂食障害の患者さんに向き合う時に感じた、患者さんの心の中の途方もなく頑迷で硬いモノの姿を垣間見たように感じられたのです。同時に、「頑迷で硬いモノ」と自分は真摯に向き合えていたのだろうか、という思いも去来しました。
 こころの領域におけるVRの可能性は、これからますます広がっていくと確信しています。BiPSEEはその可能性を拓いていきます。

https://arpost.co/2018/10/30/virtual-reality-eating-disorders-body-dysmorphia/?fbclid=IwAR0GwzMuIhB-eeYZzK3JJ9srX1xky04YmY6Catd7TN5msTiUD8iRVXJ-fqQ

 

[補足資料]
Psious
https://www.psious.com/
摂食障害を「体験」し、その危険性と複雑さを理解するVR“Iridescent”
http://iridescentvr.com/
摂食障害とは(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_eat.html

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