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VRは精神疾患へのアプローチをどう変えていくのか
- VRで診断の精度を上げる -

 VRを暴露療法に用いることで、PTSDや恐怖症の治療に役立つという知見は、多くの臨床研究で証明されています。今回の報告に記載されている「VRを用いることで、疾患の診断の精度を上げることができる」という視点は、新鮮に感じました。
 精神疾患の診断は、診断基準に該当するかどうか、患者さんとのやりとりや検査結果を総合的に鑑みて判断します(主な診断基準として、アメリカ精神医学会が作成したDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)や世界保健機関によってつくられたICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)があります)。患者さんの安全を保った上で、VRを用いて特徴的な症状が出現しやすい試験的な状況を作り患者さんに体験頂き、初診での診断精度を上げるというアイデアです。初診時は、医師と患者の信頼関係をこれから醸成していく段階。VRを用いた「検査」そのものが、患者さんにとって過度負担にならない工夫が重要になると考えます。
 ちなみに、初診での誤診例として挙げている「双極性障害をうつ病と診断してしまう」エピソードは、双極性障害Ⅱ型(躁病エピソードが明確ではない)の場合、それほど珍しいことではありません。記載されているとおり、うつ病と診断して抗うつ薬を処方すると、「怒りっぽくなって別人のよう」というような変化(躁転)が現れ、双極性障害Ⅱ型の診断に至る、という状況です。今回の報告では「患者は(次の受診まで)1か月間待つことになる」と記載されていますが、患者さんにとって初めての薬を処方する際は、効果や副作用を確認できる最短の時間で次の診察日を設定することが推奨されており(遅くとも2週間以内)、私も実践しています。

https://thedoctorweighsin.com/vr-mental-health/?fbclid=IwAR0Nf-n1liDHSAL_1ZE6WBOSbtSuNoujp3IoIpnv5lKAQYiu2yzW0n4xkbk

 

[補足資料]
双極性障害 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/disease/bipolar.html

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